若い頃の夫の挫折 (2)



耐えながら頑張って働いている間に子どもが産まれました。

子どものためにも益々頑張って働いていました。

休みはなく、帰宅して寝るだけ。寝る時間は4時間足らず。

当時は、主に働く店の近くに住んでいましたので通勤は楽でした。

若いからそんな生活ができていたとはいえ、やはり疲れています。

子どもの授乳時やおむつ交換時には泣かせないようにし、

夜泣きなどにも神経を使いました。


この会社の社長という人は、

時々店にやってきては、お客さんもいるのに大きな声で

税金の申告漏れで追徴課税が4億だった、とか

誰に聞かそうとしているのかわかりませんが、そんなことを言う人です。

もちろん、お客さんはこの人がこの店の社長だなんて知りませんが。

安月給で従業員をこき使い、税金を逃れをして私服を肥やすような人なのです。


そのような社長に、他の店長兼マネージャーが不正をしていることを直訴しました。

社長の反応は、


別に驚いた様子はなかったそうです。

不正の話を聞かされたところでクビにできるわけではない。

クビにしたら、こんなにも過酷に働いてくれる社員を失うことになり、

経営が成り立たなくなるので、仕方なく見て見ぬ振りをしなければならないと。

多少の不正は社長にとっては痛くも痒くもないが、

働き手を失うのは ずっと痛手なのだということだったそうです。

社長は(当然ですが)、「お前もやれ」とは夫に言わなかったそうです。

夫が期待していた事は、不正していた人間は全員クビになって、

気持ち良く仕事することでしたが、そうはいきませんでした。

まぁ、経営者の立場になったら、そうするしかないのかもしれませんがね。


しかし、不本意なことに、直訴したことが他の社員にバレて、

不正をしている社員から白い目で見られるようになってしまいました。

店長達のあいだには、ちょっとした派閥的なものがあるので、

仕事もやりにくくなり、今度は自分のことを責めるようになりました。


ずっと働きっぱなしで疲れていたけど、なんとか頑張れていたのは

働く意欲と気持ちが充実していたからです。

「信頼され信頼に応える」 これが夫の充実の基本です。

その基本が崩れ、夫は壊れる寸前でした。


私が出産する前に、人手を補うために手伝いで働いていた時の給料は

全部貯金していました。

まだ貯金の残りはありました。

今、仕事を辞めても しばらくは食べていける。

夫にこの会社を辞めさせようと思っていて、機会をうかがっていました。


ある朝、夫が言いました。

「俺はもうダメだ。悪いが許してくれ。」


私、(ちょっと興奮ぎみに演技)「ダメじゃない!悪くもない!悪いのはヤツらだ。

 それと、たった一人の忠実な社員を守らず、他言したバカ社長だ!」

続けて言いました。

「頑張って働く価値のない こんな会社 辞めちゃいなさい!

 しばらくの間、休養したほうがいい。

 なんなら、男の一人や二人(夫と息子のことです)、

 私が働いて食べさせてあげるから安心しなさい!!

 うちの大事な旦那さんをこんな目に遭わせやがって!!

 今から、辞めるって言って来てやる!!」 と、立ち上がりました。

すると、

夫は、「待て。落ち着け。」 と言って私を止めました。

「俺が自分で辞めるって言ってくるから・・・。ありがとう。」

と言って支度して出かけました。


そして夫は、身体を壊しているということで休暇をとり、

そのまま退職することになりました。


世の中は正しい事だけで成り立っていない。

悔しいことですが、正しい人が常に勝つわけではない。

苦々しい経験でした。


でも、その会社を辞めてから体調はよくなり、

長い時間をかけずに、また働く意欲が出てきました。


次の仕事は、雇用保険をもらう前にみつかりました。

というか、働くことが好きなので早く働きたかったみたいです。


新しい仕事を始めてから、

それから第2の挫折が始まるのですが。

気晴らしとか はけ口にのめり込んでしまいます。(よくある話です)

私の苦労も始まり、嫌なことなので思い出したくありませんが

もしかして、また機会があったら触れようかな、と思います。


昨日、今日と、世間はクリスマスでキラキラしてるのに、

私は過去のことなんか思い出して暗いです。

今年はケーキも買いませんでした。

今年の我が家はクリスマスもお正月もなさそうです。



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